「すりぬけ」について考える

みなさまこんんちは。

これを書いているのは8月。渋滞路を2輪車で走行する機会が多くなる時期と思いますが、そんな中の2輪車特有の走行方法に「すりぬけ」があります。
今回は、その「すりぬけ」について書いてみようと思います。

※ここにある記事の内容を元に発生したことがらまでは筆者は責任をもてません。実践するかしないかは、自己責任で記事を読んだ方々それぞれでご判断ください。

1.「是非」について

今回のお題の「すりぬけ」ですが、皆様それぞれで「やる」「やらない」「やりたくない」「嫌い」などいろいろな意見があるかと思いますが、まちがいなく、やらなくてはならないものではない です。
やらなくてよいならやらないにこしたことはありません
リスクといえます。
ですが、やってはならないものでもない ので、もしものときに可能な限り安全に行う方法を考えてみましょう。

 

2.どこをどのように走ったらよいか

一般道で歩道のない道路 なら、本来、路肩に線が引いてある部分から外側は歩道の扱いです。なので、「そこ」には一時停止後なら侵入は可能です。
一般道で歩道がある道路 なら、線の外側は路肩というだけなので特に気にしなくても侵入可能です。

どちらも、侵入後にも十分幅にに余裕があるのならば、歩行者等に注意しながら使用するとよいでしょう。
ただし、かなりの確率で駐車車両に遭遇するであろうこともお忘れなく。

また、片側2車線以上ある道路なら、2車線の間部分を走行する事もできます。こちらの方が幅に余裕のあることも多いです。(通行区分の観点からは車線またがりなので通れると言うだけなので注意!)

高速道路等や自動車専用道路の場合は、一般道とは異なり、路肩走行は厳禁 なので、路肩以外の車線と車線の間を使用することになります。(こちらも一般道同様、通れるというだけなのでご注意を)

渋滞している場合など、条件がそろえば、中央分離帯脇のスペースを使用することが可能かもしれません。(これも(以下略))
状況に応じて一番余裕のあるところを使用するのがよいでしょう。

 

3.禁止事項

最もやってはいけないこと、それは、無理な割り込み(進路変更)と他車への接触 です。
単独転倒ならば自分だけで事は済みますが、そうでない場合、お互いの行動予定を強制変更せざるを得ず、せっかくの楽しかった外出も嫌な思い出に強制的にシフトしてしまいます。
これは、原因はどちらに側にあったとしても絶対回避してください。(方法論は後述)

また、路面に引いてある ラインが黄色 になっているところは (ラインを)横切ることも、上を走行することも厳禁 です。
そんな場所に遭遇したのなら、素直にすり抜けを中止しましょう。結構な確率で、その先に 白い鷹の人(誰?)が待ち構えていたりしますし、それ以上に、危険だから進路変更(はみ出し)を禁止している区間だからです。

 

4.すり抜けの 可・不可判定

断続的な渋滞が発生している状況では、周りの車両が動き出してしまうパターンもあるかと思いますが、ある程度の速度で走行(動いている状態)している車両の横をすり抜けるのは回避しましょう。(とくに一般道では。)
個人的には、一般道では20km/h以上で走行できる状態になったと判断した時点ですり抜けは中止しています。
同様に、高速道路などの自動車専用道路では、60km/hを中止基準の目安にしています。
ですが、本来、車両の側方通過 の場合は、徐行(即座に停止できる速度) でなくてはいけないわけで、本当ならNGなのですが…

5.車幅の見極め

すり抜け実施の際に考えなければならないこと、それは、自車の車幅、道路上での走行時に最低限必要なスペース です。
これが把握できない場合にはすり抜けは絶対中止です。

ツーリング時に積載物が多くなっている場合など、自分の車両がどれだけの幅を占有するのか把握できていないことにより、接触のリスクが大きくなります。
何度も言いますが、歩行者も含めて他車への接触は絶対避けてください。(当て逃げ なんてのはもってのほか。最悪の行為です!)

 

6.危険の回避

すり抜け時の危険を回避するために注意することを挙げてみましょう。

進路上に関係する車両の進路変更の予測
前方車両の動きの予測
後続車の動きの予測

ほかにもいろいろあると思いますが、たくさんあげても対処できないでしょうから、基本の3つについてこの後に書きます。
これは、通常走行でも重要なことなので、覚えていて損はないと思いますよ。

また、このほかにもあるはずなので、みなさん個々で考えてみてくださいね。

(1)前方車両の動きの予測1(進路上に関係する車両の進路変更の予測)
側方や前方を走っている車両がどう進路変更するか、レーンチェンジするか、みなさん、予測して走っていますか?
ほかの人が何考えてるかなんてわかるわけない…なんてお思いでしょうが、人間、思ったところですぐに状態が変化するわけではありません。
何らかの操作をすることでものは動きます(当り前かな?)。なので、そこから動きを読み取るわけです。

なにを見るか。さすがに、運転操作自体は見えないことの方が多いですから、以下の行為で進路・車線変更するものと予測できます。

それは、

フロントタイヤが動く
ターンシグナル(ウインカー)が点滅する
ドライバー(ライダー)の頭が動く

です。

2番目のターンシグナル云々については、とくに渋滞中では省略されがちでなので判断材料としての重みは低め。
3番目も、見えれば判断材料になりますが、見えないことも多いのでこれも重みは低め。

でも、1番目の項は間違いなし です。

車両は、フロントタイヤが動いた後、(ほんの少し遅れて)旋回を始めます。だから、これは絶対といってもよい。

なので、すりぬけ中は、進路上にある左右(+前方)車両のフロントタイヤが自分の走行ライン側に向いたと見たら即座に減速し、徐行状態に移行させるようにしましょう。
場合によっては、接近に気付くなどで最終的に何事も起こらないかもしれませんが、接触しないことが最優先です。

(2)前方車両の動きの予測2

前方の車両がいつ停止(減速)するかです。
前の車両が減速するのは、運転者が減速したいと思った場合、と、速度を維持できない何かの事態が発生した場合 です。

前者は速度調整やICやSAなどを意識しての進路変更の予備動作(案外無意識にやっています)、後者は先行車への追いつきや事故の発生が考えられます。
減速なので、常に直前の車両と、そのさらに2~3台先の車両までの動き(ストップランプの状態変化)を把握すること である程度まで判断できます。余裕があれば、トラック等の大型車の排気色の変化(排気ブレーキによる)なども判断材料になるでしょう。
夜間走行の多い方ならわかるかと思いますが、渋滞が始まるときには前方から次々とストップランプの明かりが近付くように点灯し、その逆に、渋滞列が動き出す時には、前方から次々とストップランプが消えてゆくのが近付いてきますよね。
なので、それらをできるだけ早い段階で把握することでこの先の動きを予測するのです。

 

(3)後続車の動きの予測

案外忘れがちなこと、それが、後続車の状態の予測です。
なぜこれが重要なのでしょうか。
いくら自分が危険予測に成功して対処できたとしても、それが後続車に伝わっていなければ、 追突 という事態に発展してしまいます。
原因がどちらにあろうとも、これも避けたい。避けなくてはなりません。

緊急停車操作をしつつもミラー等で後続車が減速しているか、近づいていないかを確認し、もしも危険と判断したなら対処しなくてはいけません。
たとえ、バイクを放棄するような方法であったとしても、自身の身を守ることは最重要です。

また、すり抜け中に後続車が接近してくる(追いつく)ようなことがあることでしょう。
そんなときには、その人は、自分よりすり抜けがスムーズにできる人 なわけですから、適当なスペースを見つけて進路を譲りましょう。

何といっても、そんな人が先に立ってくれれば、あわよくば先導車になってくれるので、先の状態を予測するの楽になります

なにも、自分から苦労を背負い込んで渋滞の先頭車両に立候補する必要はありません。たぶん、後続車両は「早く行ってくれ~」とか思っているでしょうし。

 

7.車の間の走り方

高速道路等でよく見かけるのが、車両の間をパイロンスラロームするかの如く、ひらりひらりと 走ってゆく方がいます。
かっこよく見えますね。ですが これは 厳禁 です。

「あれれ~?」と思われる方が大半ではないかと思いますが、それはなぜか。

緊急危険回避ができないから

です。

いったんバンクさせて旋回している状態のバイクを、緊急回避のために反対方向に旋回させるのはかなりのタイムラグを伴い、かつ、緊急回避操作と並行して実施する急ブレーキ時にも不安定極まりない状態になってしまうので 避けなくてはならない走行方法だ。

というのが自分がたどり着いた結論です。

大きすぎる周りとの速度差も本来は厳禁としたいです。理由は同じです。(どのくらいの差までが妥当かはライダー毎それぞれで簡単には決められないので、自分の力量に合わせてということで、あえてその数値は書きません。)

そうはいっても、これではどうやって走ったらよいかイメージがわかないことでしょう。
さすがに、常にまっすぐ走れるわけではないですから、多少の進路変更はしなくてはいけません。

ということで、結論からいうと、

直進と直進を短時間の緩旋回でつなぐ ような走行ラインで走る

走り方となります。

またなんだか訳のわからないことを言い出したぞ…と思われるかもしれませんが、なにも難しくはありません。

渋滞路のなかは、自分が走るラインは常に直線でイメージし、それが無理な部分を頂点に、短時間で旋回を完了してしまう程度の角度の緩い方向変換でつないだラインを設定して走る

それだけです。
そうすることによって、車両は基本的に直進するだけで、時々浅いバンク角の進路調整を伴うだけなので、急ブレーキが必要になってもコーナーの途中で急ブレーキをかけるような事態はまずあり得ませんし、バンクさせてないので、緊急回避は左右どちら側にも可能な状態です。
なにより、無理な操作が少ないので操作に余裕ができます。
急ブレーキをしながらでもある程度安定しているのでそのまま後方確認も不可能ではありません。

これが、もしもスラローム状態だったらどうでしょう。
側方からの車両接近での切り返しや、前方でのトラブル発生での急ブレーキが安全にできると思いますか?

教習所でのパイロンスラロームのさなかにブレーキをかけるとどうなるか…を想像してみればわかりますね。

あと、ほとんどバンクさせていないことから、道路上での占有幅の増加も最小限に抑えられますから接触の可能性も抑えられます。
何より、後方からみた場合、どっちに行きたいのかがはっきり分かるはずです。(「まっすぐ前に進む」のですから)基本直進走行でわかりやすい。自分がどちらに行きたいを周りに知ってもらうことも危険回避の方法のひとつです。

あとは、日中は「気休め程度」にライトをつけておく。といったところでしょうか。悪魔でも「気休め」です。お守り程度と考えましょう。

それなりに乗りなれている人の間では、

日中にライト点灯状態、夜間ハイビームで接近してくる自分より速い車両には追い越しの意思がある

と判断するからなのですが、たとえライトを点灯していても、見ていない人(案外多い)には見えない ので、気休め程度です。

けっして 必ず見えているとは思ってはいけません。 とはいっても、見てもらうための努力はしなくてはいけませんからライトをつけておく事自体は有効だとおもいます。

と、こんな感じになります。


 

■まとめ
今回はすり抜けについて考えてみました。これがすべてに適用できるわけではありませんし、ほかの意見を持つ方もいらっしゃることでしょう。当然です。
なので、あくまでも参考程度で、やる・やらないの強制はできませんから、自己責任でお願いします。

 

それでは今日はここまで。

 

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