ライン取りについて考える

今回は、走行時のライン取り(おもにツーリング等で山岳路を走る場合かな)について考えてみましょう。

よく、「道路のどこを走ったらよいかわからない」という話を聞きますが、そんな場合に自分は「一番楽なラインをイメージして走れば良いよ」と答えているのですが、じゃぁ、具体的に何が「一番楽」なのでしょうか。
今回は、そのあたりについて考えてみようと思います。

1.基本的なこと

一口に「走行ライン」といっても、レース等でのタイムを意識したものではなく、楽に、かつ、安全に走れるもの というものをベースに考えれば良いと思います。

例をあげると、

なるべく曲がらずに済むように走る
前方の安全確認ができる位置を走る
前方から視認できる位置を走る
後続車から視認できる位置を走る
余裕をもった速度で走る
楽しく走る

と、こんな感じでしょうか。(最後の2項目はライン取りではありませんが)

実は、今回の話で書こうとしている話題は、レース等の競技的な走り方とは違い、「こうしなさい」的な話では無いのでそんなに堅苦しく考えないことが大切です。
一番大事なのは「安全な範疇」であれば、どんなにミスしたっていいということ。
あまり細かいことを気にしちゃぁいけません。まずは「楽しくリラックスして走ることが重要」です。(最後の2項がそれ)

 

2.具体的にどうするか

さて、「基本的なこと」として前項に例をかきましたが、実際にどうするとよいのでしょうか。

(1)「なるべく曲がらずに済むように走る」とは
山岳路でも、そうでないところでも、当り前ですが道路は直線だけではありません。必ず曲がることになります。
でも、「曲がる」という行為は、運転者から「余裕」と「行動の選択肢」を奪います。
これは、「旋回中とそうでない場合での危険回避時の操作の違い」についてをイメージするとわかりやすいでしょう。

具体的に、どのように走るかなのですが、経験的には、おおよそ路肩から1m以上、、センターラインから1m以上、センターラインが無い場合には対向車線側の路肩から2m程度の位置、もしくは対向車を仮想のセンターラインと考えて、その範囲(道路に仮想的に色をつけて考えるとわかりやすい?)で旋回半径が一番大きくなる場所を走ります。
道路が狭い場合には、対向車がよけられるように意識して、速度を控えめにして前述よりももう少し左側をイメージしましょう。

たとえばS字コーナーがあった場合、前に書いた道路上の走行範囲の中で、わざわざ切り返す必要のないラインが想定できたのなら「S字とは考えずにまとめて1つのコーナー」もしくは「直線道路」と考えて走ってしまうわけです。
この時、あまり路肩よりを走り過ぎると、路肩にあるガラス片等のゴミを拾ったり、前方の状況の確認が難しくなりますので、極端に路肩よりを走り続けることは避けた方が良いでしょう。

無理に道路の曲がりに合わせて走る必要はないのです。省略できそうなところを省略してしまえば、操作回数が減り、その分、別のことをやる余裕につながりますし、何より、楽ができるので疲労を軽減できます。

前述のように走ったとして、後続車からどう見えるかが心配でしょうが、結果的に、いわゆる「アウトインアウト」の走行ラインになっていますから問題ありません。安心してください。

ただし、ここで注意するのは、「対向車線側に不必要にはみ出さない」こと。センターラインのない道路の場合には、対向車を仮想のセンターラインとしてください。「いつでもよけられる余裕をもった速度とラインであること」が基本です。

※実は、山岳路限定でもっと極端な走行ラインもあるのですが、話がややこしくなるのでここでは省略します。

 

(2)「前方の安全確認ができる位置を走る」「前方から視認できる位置を走る」「後続車から視認できる位置を走る」とは

前の項目でも書いていますが、旋回中に路肩に寄りすぎない位置取りをすることで、前走車、後続車、対向車のすべてに対して、自分がいることをアピールできます(=見えやすくなる)から、追突等のアクシデントを回避する助けになります。

また、逆に前走車、後続車、対向車を確認しやすい位置にいることで、自らの危険回避にも役に立ちます。
危険回避については最後は自分次第であるというのどんな場合でも変わりありません。

 

(3)余裕をもった速度で走る

これは当り前のことなのですが、余裕がないことには、標識の視認や突発的なアクシデント発生へ対処することも出来なくなるのである意味一番重要な事です。

以前、初心者からベテランまでの広い層の混走ツーリングのトップを走った際に、自分の直後になる方(比較的初心者)にまず言ったことは、「無理に自分についてこないこと」です。
前走者が行けたからと言っても、自分が安全に通過できるとは限りませんし、無理に前走者に合わせたせいで、自分の限界のペースを越えることで余裕がなくなり、いつもはやらないようなミスや、場合によっては転倒や接触事故といった事態につながってしまうからです。
なにより、前走者は後続車の様子を見て合わせてくれるので無理だなと思ったら無理について行かない方が吉です。

実際、自分が集団走行の際には、前走者が通り抜けたからといっても、自分が余裕を持って行けると判断できない限りは前走車に無理についてゆくようなことはしていません。(おかげで迷惑はかけてるかもしれませんが)

余裕さえあれば、ある程度の接触事故も防げるものと思っています。

 

(4)楽しく走る
色々書いていますが、つまるところ、楽しく走れなくては意味がありません。修業の場ではないのですから、少しくらい失敗しても(事件・事故にならない程度までですが)その場ではあまり深刻になる必要はありません。
先に書いたことを意識しながら走る程度でOKですから、まずは楽しんでください。
結果としてそれが余裕につながり、事故・転倒等のアクシデント発生の低下につながるはずです。

 

3.まとめ

色々書きましたが、「楽しく走る」の項でも書いているように、楽しく走れなくては意味がないので、実際のところ、あまり深刻に考えない方がよいのですが、お互いの安全の確保のため、ある程度方向性を持った走り方をするのがよいのではないかと思います。

ここに書いたこととは違った意見をお持ちの方もいるでしょう。ここに書いたことだけが正解ではないと思いますので色々な人の意見をとりいれて、ある程度の方向性を持った走り方を自分なりに確立できれば、結果的にアクシデントの発生防止につながるのではないかと思います。

 

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