山岳路(+狭い道)走行について考える

紅葉シーズンも近づいていると言うことで(執筆時は9月)、山岳路の走行について考えてみましょう。


1.走行時のペースについて

「走行時のペース」といっても、早く走る必要はありません。それぞれ思いのままのペースでよいのではないでしょうか。

ならば、なぜこんなことを書くのか。

それは、「自分以外の車両のペースも考えましょう。」と言うこと。自分だけではなく、回りの車両の動きにも、時々でもよいので目を配ってあげましょう。

自分だけが道を走っているのではありません。ほかの車両が自分よりペースが速そうな場合には、見通しの良い、できれば直線区間で、後続車に道を譲りましょう。何も渋滞の先頭に立候補する必要はないのですから。
また、逆の立場になった場合には、前走車には自分の存在を主張しつつ、かといって、無理に車間距離をつめたりあおったりすること無くついてゆくことにしましょう。いらいらしてはいけません。ペースは人それぞれです。前走車が道を譲ってくれたなら、軽く挨拶しながら抜いてゆくくらいの心の余裕は持ちましょう。

 

2.「すれ違い」について

山岳路を走っていると、道幅が狭いために、対向車とのすれ違いが辛うじてできる、もしくは不可能 な道幅の箇所で対向車に遭遇することが結構あるものです。そんなときはどうしたらよいでしょうか。

基本は、常に、対向車と「どこですれ違うか」を考えてタイミングよく想定した区間ですれ違うようにする ことです。そのためには、対向車の存在をキャッチできる余裕を持つこともそうですが、時には自分が一時停止して対向車に道を譲るようなことも必要です。

対向車が迷っているような場合にも、合図を送るなどして相手に自分の意思を伝えるようなことも必要でしょう。

最近は、カーナビの普及により、普段走りなれていない人でも山岳路に迷いこむ様なケースも多いようで、その辺を考慮せずに走っている人も増えているので、すれ違い時のトラブルは以前より多くなったように感じます。

例として、実際にあった(S13シルビアに乗っていたころ)のお話をひとつ。

神奈川県内の山中で、前方から「3ナンバークラスの某有名国産4輪駆動車」が近寄ってくるのを確認。
自分から見て前方(対向車からは後方)に退避スペースがあるのが見て取れたので、そこでのすれ違いを想定して進行していたところ、あろうことか対向車は、想定していた退避スペースを通り過ぎてからすれ違おうと試みた(らしい)。
しかしながら、路肩への幅寄せもできず山側だったにもかかわらず路肩から1mほど離れているのだが立ち往生してしまう。
たしかにその半分の50cmほどまで路肩に寄せいれば、すれ違いも可能ではあったので、そうするのかなと思っていたのだが、そうではなかったい様子。
さらに、「自分はバックはできないよ」と言う表情でこちらを見ている。
バックと言っても5mほどなので何とかしてくれないかぁと思ったのですが、どうやら無理らしい。(なんと「おまえが下がれ」と手を振ってる!)
しかたなく自分がガードレールの上にミラーがかかるくらいまで寄せてみたものの、20cmほど道幅が足りなくて自分だけが対応するのではすれ違いは無理そう。
自分が相手の車の運転を代わってバックしてやろうかと思ったのだが、あいにく雨模様だったので車からは降りたくないなぁ。
仕方ないので、自分が通り過ぎた500mほど手前の退避路までバック(もちろん立派なアップダウン付のワインディングロード)で戻ってすれ違った…

ということもありました。(相手は、さも「当たり前だ」と言う態度で走り去ってしまったが…)

そのときは自分のほうにも後続車がいなかったため、結果的にすれ違いに成功しましたが、そうでなかったらお互いに身動きが取れなくなり大変なことになっていました。要注意です。

そんなわけで、自分の乗る車両の大きさを把握することも必要でしょうね。(たとえ、はじめて乗るレンタカーであっても簡単にできるチェック方法もあります。その辺は別の機会にということで。)

これは、都市部の走行でもいえることです。たとえば、住宅地の、歩道もセンターラインも無い道で、路側に電柱があるような道を走るようなシチュエーションがそれにあたりますね。

走りなれた人(たとえば宅配屋さんトラックのドライバ)は、お互いにタイミングを図って電柱のない区間ですれ違ってくれるのですが、3ナンバーミニバン(失礼)は(相手が小型車と見ると特に)結構な確立で、自分が優先だ!的に、容赦なく電柱横でもすれ違いを試みる。ほとんどのケースでは、結果的に通れなくはないのですが、かなり車両の左右に気を使った走行となってしまいますから、できればそんなことの無い電柱の無い区間でのすれ違いのほうが走っていて楽です。
その区間なら大抵の場合、幅寄せなんて考えなくてもアクセルとブレーキでタイミングを調整するだけで容易にすれ違えますからね。

すれ違い時に、相手が何か対処してくれていたのかも…と思った場合には、手を上げる程度でも十分なので(視界がさえぎられるので頭は下げないほうが良いかも)挨拶を忘れずに。(速度を落としてくれた、「そっちが先に通ってよいよ」の合図、道を譲ってくれた、路肩によってくれた、などいろいろありますね。)

 

3.停車(駐車)する場合の位置について

紅葉の季節には、風景写真を撮りたいでしょう。また、何らかのトラブル発生時にも、停車させる必要が発生することでしょう。そんな時にはある程度は注意が必要です。

たとえば、停車位置にしても、前後からの見通しがよく、かつ、通行の障害とならないところが良いでしょう。
駐車場や退避スペースがそれにあたりますが、そうでないと、追突されたり、後続車や対向車が通れなくなる可能性が高くなります。

最悪なのは、後続車や対向車側から見てブラインドコーナーの途中に停車するケース。
それでは遠慮なく追突してくださいと言っているようなものです。
せめて後続車からも対向車からも事前に存在を確認できる位置に停車するようにしましょう。

また、ブラインドコーナーで無くてもコーナー途中というのは、自車線の後続車や対向車がお互いを認識するのが難しくなる状況を作り出すので、周りに迷惑(というより危険行為といえる)をかけていることになりますからできるだけ避けましょう。

 

4.搭載燃料の状況についても注意しましょう

渋滞に嫌気が差して、ナビの指示で「近道」しようといったケースもあるのだとは思いますが、途中で燃料切れ…なんていう事態は避けたいところ。

場合によっては携帯電話も使えない場所もありますし、なんと言っても、燃料到着までの時間の気まずさと言ったら。(自分はそういった事態になったことは無いですが、友人には…)
最近は、休日(土日)にも営業していて、かつ、24h営業だったりすることもおおいSSですが、地方の、それも山中では違うことも多いです。
燃料がぎりぎりな状態での山岳路走行はやめましょう。できれば満タンでスタートしたいところです。
長距離走行時には、自分は可能な限り「ハーフタンクで給油」するようにしてます。
空っぽになるまで給油してはいけないなんてルールはありませんから、何が起こるかわからないこの先の行程で、つねに余裕を持っておきたいですからね。(走行距離とSSの位置がはっきりしている高速道走行時は違う場合もありますが)

最悪の、対向車も後続車も無く2日間そこで過ごす…なんて事態にはなりませんように。

 

5.車両の状況も考えましょう

燃料と同様、車両の整備状況にも注意を払いましょう。
途中で身動き取れなくなってしまうと、燃料切れと同じか、それ以上に面倒なことになります。

 

6.トラブル発生時には

どんなに気をつけていても、何があるかわからないのが世の中。ノントラブルとはいかない場合もあることでしょう。

そんなときには、素直に助けを求めましょう。あくまでも低姿勢でお願いしますね。
『他人は自分を助けるべきだなどとは「決して思わない」ように』。(そんな人は少ないと思いますが)

また、発見者側になった場合、結果、JAF待ちです…といった場合も、そうでないこともあるでしょう。
なので、まずは状況を聞き、それにあわせて可能な範囲で助けてあげましょう。
場合によっては、せっかくの好意を冷たくあしらうような人もいるかもしれませんが、そんなときは放置すればよいだけなのです。
何かを「やってあげた」とは思わないことも大切です。

 

みなさまが気持ちよく走れますように。

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